M&A仲介サイトとは?利用する際の手順や注意点についても紹介します
2022.04.21
M&Aは事業継承や拡大に有効な手段として利用されており、2017年には件数が3,000件を越えて過去最高の数値を記録したほどです。
とはいえ初めてM&Aの仲介サイトを利用する場合、手順や注意事項が分からず不安になる方が多いのではないでしょうか。
本記事では、M&A仲介サイトとはどういうものなのか?手順や注意点などを踏まえて紹介していきます。
「これからM&Aを利用しようと考えているけど不安しかない…」という方に分かりやすく知ってもらえる内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
◆M&A仲介サイトとは?
引用:https://pixabay.com/ja/
M&A仲介サイトとは、買い手と売り手の間に第三者となる仲介業者(M&A仲介サイト)を挟み、両者の条件を踏まえて交渉を成約させるサイトのことです。
家を買ったり借りたりする際に不動産を利用するのと同じように、M&A仲介サイトは事業売買の仲介を担っているということになります。
また、ウェブサイトを専門に扱うM&Aサイトも存在し、それらのM&A仲介サイトは「サイト売買(M&A)サイト」と呼ばれています。
近年ではM&A仲介サイトが急増していることもあり、各サイトのサービス内容によって手数料は大きく異なっています。
M&A仲介サイトの手数料について
M&A仲介サイトの手数料は「相談料、着手金、中間金、成功報酬」など様々なものがあり、契約次第では成功報酬のみが手数料となる場合もあります。
成功報酬のみが手数料の場合、そのほとんどが買い手と売り手の直接交渉による成約となってしまうため、万が一の契約内容の相違やトラブルが発生した場合に対応できないリスクがあります。
よほどM&Aに関する専門知識や交渉に長けた人物でない限りは直接交渉による成約を避け、M&A仲介サイトが提示しているサービスやアドバイザーを活用する方が望ましいでしょう。
手数料の相場について
M&A仲介サイトのサービス内容による手数料に相場はなく、とくに着手金に関しては0円〜200万円と、取り扱うM&A案件次第で大きな差があります。
しかし、成功報酬には概ね相場が決まっており、M&A仲介サイトの場合は売却額の2〜5%を手数料として買い手に請求します。
手数料に大幅な差が出てしまう点については、M&Aの案件の規模による差とも捉える事ができます。
売上が1億円以上の大規模な企業案件と、月5万円の平均確定収益がある個人ブログとでは、当然ながら案件を扱う重みが異なってきます。
このような場合、大規模な案件はM&A仲介サイトより専門的な「M&A仲介会社」を利用したり、個人ブログであれば「サイト売買(M&A)サイト」を利用するなど、規模によってM&Aを利用する場所を見定めていくようにしましょう。
◆M&A仲介サイトの利用手順について
引用:https://pixabay.com/ja/
M&A仲介サイトを利用する場合、手順は以下のような流れとなります。
- M&Aの利用目的や戦略を考える
- 事業の状況に合ったM&A仲介サイトを選ぶ
- 機密保持契約(NDA)の締結
- 事業の分析
- ノンネームシートの提示
- トップ面談
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンス
- 最終譲渡契約
- PMI
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M&Aの利用目的や戦略を考える
まず大前提として、M&Aの利用について考える必要があります。
- M&Aを選んだ目的は何か?
- なぜM&Aを利用する必要があるのか?
- M&Aに携わる人間がその目的を把握できているか?
M&Aを利用する場合、案件がM&Aとして成立するのか?ということや、売却額の把握、M&Aによる恩恵、ターゲットとなる企業や事業のイメージを固めておく必要があります。
目的やイメージを確認し、携わる人間がいる場合にはその目的を共有することも忘れないようにしましょう。
事業の状況に合ったM&A仲介サイトを選ぶ
M&Aの対象となる買い手を自力で探すのは非常に労力を伴ってしまいます。
負担を軽減するためには、案件に合ったM&A仲介サイトを見定め、状況次第では専門家に相談をしてみるのが最も効率的です。
そして少しでも案件に合わないような懸念要素があるのであれば、妥協せず様々なM&A仲介サイトに相談する忍耐も忘れないようにしましょう。
機密保持契約(NDA)の締結
NDAとは、公開していない機密情報を開示する必要がある場合に、その機密情報を第三者に漏洩させないことを約束させる目的で取り交わされる契約のこと、または契約書類のことである。
M&Aを進める上で最も重要となるのが機密保持契約の締結です。
機密保持契約(NDA)を締結することで機密情報を守る事ができるため、情報の漏洩を防ぐことに繋がります。
事業の分析
M&Aは買い手と売り手が両者ともに相乗効果を発揮できる成約である事がベストです。
そのためにはM&A成約によるメリットだけに注視せず、弱みやデメリットに関しても十分に分析をしていく必要があります。
ノンネームシートの提示
ノンネームシートとは、社名を公開しない状態でまとめられた売り手の資料になります。
ノンネームシートには業種や所在地、資本金を含め、事業の特徴や予想される譲渡額についても記載します。
M&Aの条件に合いそうな候補を絞ったらこのノンネームシートを提示し、相手に特定されないように一次情報のみ確認してもらいます。
また、交渉の段階で従業員や取引先に不信感を抱かせないためにも、「ネームクリア」という情報の開示に問題がないかを確認する必要があります。
トップ面談
トップ面談とは、買い手側と売り手側の経営者同士が理解を深めるために行う顔合わせになります。
書面だけではだけでは伝えきれない人間性や価値観を共有できる手段となっているため、交渉としては非常に重要な面談です。
あくまで交渉は人と人によって行われます。
利害だけでは計れない信頼要素が欠けてしまっては、数字的な交渉として上手くいったとしても、長期的な計画としては失敗に繋がる危険があるでしょう。
基本合意書の締結
基本合意書は本契約に先だって結ぶ合意書。秘密保持義務や独占的交渉権、交渉により達成された部分的な合意内容など、契約交渉に関するものが盛り込まれるのが通常。
ある程度互いの条件を交渉し、基本条件が決まったら「基本合意書」の締結となります。
流れとしては、買い手側が買い取り方法や価格などの条件が記載された「意向表明書」を提出します。
意向表明書を受けて、売り手側が内容に合意したら「基本合意書」を締結するという流れとなります。
デューデリジェンス
デューディリジェンスとは、企業などに要求される当然に実施すべき注意義務および努力のことである。
デューデリジェンスは、これまでの流れで得た情報が本当に正しいものであるか?を専門家によって確認してもらう作業になります。
売り手側は情報提供に対して提示する義務があるため、ここで都合の悪い情報を隠すというのは得策ではありません。
最後まで誠実な交渉を進めるためにも、情報提供には協力的に接しましょう。
最終譲渡契約書
買い手と売り手の両者の合意によってM&Aが決まったら「最終譲渡契約書」を締結します。
一般的には「最終譲渡契約書」の締結日と、全ての手続きが完了し、M&Aが完結する「クロージング」は別となっています。
案件の決済や会社代表印の引き渡しなどが終了してはじめて「クロージング」となります。
PMI
「PMI」とは、Post Merger Integration(ポスト・マージャー・インテグレーション)の略で、M&A(企業の合併・買収)成立後の統合プロセスのことです。新しい組織体制の下で当初企図した経営統合によるシナジーを具現化するために、企業価値の向上と長期的成長を支えるマネジメントのしくみを構築、推進するプロセスの全体を指します。
クロージングによってM&Aの成約は完結となりますが、ここからはマネジメントの構築作業が本格的に始まるということになります。
あくまでM&Aは両者にとって新しい一歩を踏み出すキッカケでしかなく、目的や計画を実行していくのはここからが本番とも言えるのではないでしょうか。
◆M&A仲介サイトの注意点とは?
ここまでM&A仲介サイトの流れについて説明してきましたが、最後にM&A仲介サイトの注意点についてもいくつか紹介していきます。
- 案件に合ったM&A仲介サイトを選ぶ
- 料金プランの確認
- サポートを受けられるか?
案件に合ったM&A仲介サイトを選ぶ
近年ではM&A仲介サイトの数は無数に存在します。
しかし、大手企業サイトだからといって自身のM&A案件に合うとは限りません。
取り扱っているM&A案件が合わないと感じるのであれば、妥協せずに別のM&A仲介サイトを探してみたり、専門家に相談をしてみることでより条件の良いM&A案件に繋がれるかもしれません。
▼サイトの比較ポイントについて詳しくみる
>>サイト売買(M&A)おすすめの比較ポイントや注意点・失敗例について
>>【2020年最新】サイト売買専門サイトの比較ポイント4項目料金プランの確認
M&A仲介サイトによって、サービス内容やオプションは大きく異なっています。
その中でもとくに注意すべき点は以下となります。
- 着手金に含まれる内容について
- 中間報酬、月額報酬の有無
- 成功報酬について
本記事でも手数料について触れましたが、料金プランは各M&A仲介サイトによって驚くほどバラバラとなっています。
その原因として、2020年の段階では中小企業を対象としたM&A業界はまだまだ未成熟であったり、売り手自身が仲介サイトを深掘りしていないという理由が挙げられます。
着手金に関しては相場そのものがない0円〜200万円という振り幅でもあり、案件の専門性に大きく左右されています。
もちろん、サポートが充実しているに越した話ではありませんが、その内容や料金が本当に自身の案件に適正であるか?を考える必要はあるでしょう。
サポートを受けられるか?
そもそもM&A仲介サイトに十分なサポートがない場合もあります。
M&Aに関する専門知識がない場合、どうしても法務や税務関連の専門家に頼る必要性が考えられます。
M&A仲介サイトによっては、個人交渉の場合は成約報酬の〇%のみというサービスも内容が含まれている場合があり、安易に「個人交渉でも何とかなるだろう」と判断するのは非常に危険です。
少しでもM&Aに関する知識に自信がない場合には、サポート内容に注意を向けることを忘れないようにしましょう。
◆まとめ
- 引用:https://pixabay.com/ja/
今回はM&A仲介サイトとはどういうものなのか?について、手順や注意点を踏まえて紹介してきました。M&A仲介サイトを計画的に利用することで、買い手側と売り手側の両者にとってプラスとなる結果に導く事ができます。
しかし、安易な発想で目的や分析を怠ると、思いもよらぬトラブルや失敗に繋がってしまいかねません。
これからM&Aを利用したいと考えている方は、ぜひ計画的で妥協のないM&Aの実現を心がけてみてください。
加えて、現時点でサイト売買についての問い合わせをお考えの方は、無料の会員登録をおすすめします。
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※完全成果報酬型で運営しているため、会員登録・相談料・案件掲載料などで料金が発生することはございません。
Originally posted 2020-10-12 12:30:20.
2018年からGrowthM&Aを運営するAIGATE株式会社にジョイン。
サイト売買/ECサイト/D2CのM&Aを得意分野とし、数多くのM&Aに携わってきた。
また、自身もメディアを立ち上げグロースさせた経験から、有益な情報を発信している。