2020年度◆サイト売買の市場規模とは?成長市場の動向を追う!
2022.04.21
インターネットが世界中に普及した昨今ではウェブに関連したビジネスが数多く存在しており、「サイト売買」もそのうちの一つです。普段はあまり目にしたり聞いたりすることがない”サイト売買”ですが、これは最近になって突然始まったものではなく、実は10年以上も前から行われています。この記事ではサイト売買についてその歴史などを含め解説します。これを読めばサイト売買に関する具体的なイメージをつかめることでしょう。
サイト売買の歴史、丸分かり年表一覧!
サイト売買はこれまで色々な業種や分野において数多く行われてきました。その中でも代表的な事例と呼べるものがいくつかあります。
以下に一覧と詳細を記載します。
2000年・・・サイバーエージェントが「懸賞のつぼ」を買収
2003年・・・楽天が「旅の窓口」を買収を買収
2004年・・・楽天が「みんなの就職活動日記」
・・・ライブドアが「JBBS@したらば」を買収
2005年・・・ライブドアが、「T-select」を買収
アメーバブログなどで知られるIT会社のサイバーエージェントは2000年に、ツボックスが運営するオンライン懸賞サイトの「懸賞のつぼ」を買収しました。2003年には、政府系金融機関の日本政策投資銀行がポータルサイト「顔ナビ!」を担保に融資を実行し、これはウェブサイトが担保となる日本初の事例となりました。
インターネット通販大手の楽天は2003年に宿泊施設予約サイトとして当時の最大手であった「旅の窓口」を、2004年には口コミ就職サイトの「みんなの就職活動日記」を買収しています。インターネット企業のライブドアも2004年に無料のレンタル掲示板サービス「JBBS@したらば」をメディアクリップより買い取り、さらに2005年には面白法人カヤックの「T-select」を買収しました。
国外ではサイト売買は頻繁に行われており、2006年にはアメリカのIT企業Googleが動画共有サイトの「YouTube」を傘下に収めています。
2007年になると、日本政策投資銀行をはじめとする銀行団がウェブサイトを担保に総額30億円の協調融資を行なった影響もあって、多くのサイト売買仲介会社が設立されました。
サイト売買の歴史を紐解く
これらの事例からわかるように、私たちが日常生活において利用するようなサービスもサイト売買を経ている場合があります。
ここからは、先ほど紹介したサイト売買の歴史を詳細に紐解くことで、サイト売買に関する理解をより深めていきましょう。
順調に市場拡大していたサイト売買が2008年で止まった理由
2000年前後に出現し始めたサイト売買の市場は年々順調に拡大していきます。市場が伸びていった理由としては、インターネットが世界中で徐々に普及していったことがあげられます。結果的に、拡大するウェブ上でのビジネスへの投資の一環として、サイト売買が盛んに行われるようになりました。
しかし、2008年になるとサイト売買の市場の成長が突如止まってしまいます。これにはリーマンショックが関わっているとみてよいでしょう。当時は世界的な大不況になったことから、企業は以前に比べると投資を控えるようになり、それはサイト売買にも影響が及んだと考えることができます。
2012年から再び盛り上がりを見せた売却市場
2008年にリーマンショックの影響で一時しぼみかけたサイト売買の市場ですが、2012年になるとまた息を吹き返し、緩やかな伸びを見せます。このようなことが起きているのは、法人間のM&Aがサイト売買市場にも流れてきたからだと捉えることができます。
M&Aとは合併と買収のことで、サイト売買もM&Aの一つだと言えます。すなわち、2012年以降サイト売買市場が回復したのは、リーマンショックから景気が立ち直り企業間のM&Aが活発になる中で、ウェブサイトもM&Aの対象となることが多くなったためだということでしょう。
売手と買手どっちが多いの?
サイト売買市場が2000年代に形成され始めてから今日まで、一貫してサイトの買い手の方が売り手よりも多く存在しているとされており、その割合は7対3だとも言われています。つまり、サイト売買市場は売却希望より購入希望の方が多い、売り手市場です。
そのような市場構成になっている理由についてはいくつか説があります。その中で一定の説得力があるのが、「将来的に収益が期待できる有望なウェブサイトはそもそもあまり市場に出回らない」という考えです。
ウェブサイトの所有者がサイトの売却をするのは、基本的に新しい事業のための資金調達や私情により運営できなくなった場合などがほとんどです。
引き続き運営をする事で収益が十分に出るサイトを所有者があえて売ることは緊急の資金繰りなどが必要な場合を除いて、あまりないと言えるでしょう。
サイト売買にはどんな案件があるの?
実際のサイト売買ではどのような案件があるのでしょうか。サイト売買市場がどのような状況にあるかがわかったところで、サイト売買の専門ポータルサイト、Growth M&A(グロースM&A)内に掲載されている案件の一覧からいくつか例を取り上げて見ていきましょう。
売却案件例
・「記念日プレゼントを提案するメディア」
月間のページビュー(PV)が65万でユニークユーザー(UU)が49万の、サービス系に分類されるサイトの売却希望案件で、希望価格は620万円で、一般的な相場内の価格設定と言えます。
誕生日などに限定せず広く記念日のカテゴリを扱っているサイトであるため、プレゼントの商品名といった、記念日関連のキーワード以外で検索された時も上位に表示されます。また、このサイトの実際の訪問者はモバイルを経由してサイトを閲覧することが多く、スマートフォンでの表示を重視したデザインになっています。
ライター2名が売却元の会社に常駐しているため、要望によっては相談した上で引き継ぎが可能な場合もあります。なお、これまでおよそ5年間にわたり運営しており、良質な被リンクが多いことが特徴です。
・「パチスロ攻略・エンタメ系情報サイト」
金融系のサイトで、1ヶ月あたりのページビューは21万、ユニークユーザーは16万ほどとなっています。希望価格は420万円です。こちらも相場内での譲渡案件になります。
FXやパチスロに関してキュレーションサイトの形式で取り扱っており、個人で運営しています。アフィリエイトからの収入が主となっていますが、アドセンスも収益源です。柱となっているカテゴリはパチスロとライブ配信のアプリで、いくつかのロングテールキーワードで上位に入っています。
掲載されている230記事のうち180記事ほどまでは運営者自身で制作したもので、その他のものはクラウドソーシングで依頼したライターが書いています。このサイトで記事を書いているライターを紹介・引き継ぎすることも可能です。
・「大人の女性向けキュレーションサイト」
月間PVは230万、UUは60万で、希望価格は5500万円の売却希望案件です。女性系のサイトであるため、利用者の80%以上が25歳から44歳の女性となっています。
サイトの内容はオリジナルコンテンツとSEOコンテンツが一対一の割合となっています。なお、サイトの運営はその所有者一人で行なっており、その他の業務は外注で対応しています。
購入希望案件例
・「教育・学習メディア」
ウェブマーケティング会社が購入を希望している案件で、予算は500万円です。この会社は現在、美容や恋愛、クレジットカードといった様々な種類のウェブサイトを運営していて、ジャンルの幅を拡張するために買収を考えています。具体的には、内製ライターの引き継ぎができ、1年以上運営されているサイトが購入対象のサイトです。
・「WEBメディア【金融、医療ジャンルを除く】」
買い手がウェブ事業会社で、予算が5000万円となっている案件です。この会社は、アドセンスで収益を上げており月間200万ページビュー以上の金融、及び医療以外のジャンルのサイトの購入を希望しています。なお、ライターの引き継ぎは不要であるもののマニュアルなどはもらいたいと考えています。
・「分野問わず募集しています」
この案件の買い手は、サイトの具体的なジャンルは問わないものの粗利が月に3万円以上あるサイトを探しています。運用益やページビューも重視しておらず、予算は100万円です。
トレンドは少額のM&A
2020年現在のサイト売買のトレンドは「少額のM&A」と言える状況にあります。M&Aと言うと大企業が関わり、莫大な金額の資金や大変な手間のかかるものだというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、サイトの売買に関してはその限りではありません。近年、買い手は新たな事業の一環としてサイトを買い、売り手は次の事業の資金獲得などのためにサイトを売るなどしています。このことから、億単位の資金を伴う売買だけではなく投資のような感覚ミニマムに行う事のできるサイト売買が流行っていると言えそうです。
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Originally posted 2020-09-03 20:30:56.
2018年からGrowthM&Aを運営するAIGATE株式会社にジョイン。
サイト売買/ECサイト/D2CのM&Aを得意分野とし、数多くのM&Aに携わってきた。
また、自身もメディアを立ち上げグロースさせた経験から、有益な情報を発信している。